地域差

首都圏の中学受験:東京・神奈川・千葉・埼玉で入試日程がこんなに違う理由

同じ首都圏でも、私立中学の入試が始まる時期は都県によって大きく異なります。実例8校を都県別に整理し、なぜこの違いが「1月に埼玉・千葉を受けて、2月の東京・神奈川に臨む」という一般的な受験パターンにつながるのかを解説します。

対象: 東京5校・神奈川1校・千葉1校・埼玉1校の実例8校(手続期限は4校)
公開 2026-09-04最終確認 2026-10-05合同会社フューチャープロンプト

千葉・埼玉は1月、東京・神奈川は2月1日以降

首都圏の私立中学入試は、千葉・埼玉の学校が1月中に、東京・神奈川の学校が2月1日以降に実施されるという構造になっています。この記事で確認した実例では、埼玉の栄東が1月10日、千葉の渋谷教育学園幕張が1月22日と、東京・神奈川より2〜3週間早く始まっていました。

都県別の実例

都県学校受験料入学時に必要な金額
埼玉栄東中学校25,000円で2回まで受験可(3回以上は35,000円)入学金250,000円(令和9年度=2027年度募集要項)。制服代は男子約175,860円・女子約195,730円(2026年度)、施設設備拡充費は入学後に納入
千葉渋谷教育学園幕張中学校28,000円入学金 300,000円(2027年度募集要項。入学手続は1月24日14:00〜25日15:00)
東京麻布中学校30,000円入学金 300,000円(2027年度募集要項。納付期限は2月4日正午)
東京開成中学校28,000円入学金320,000円+施設拡充資金120,000円=440,000円(2026年度、制服代等は別途)
東京女子学院中学校25,000円入学金 380,000円(2027年度募集要項。手続期限は2月3日15:00)
東京桜蔭中学校25,000円入学金 380,000円(2027年度募集要項。入学手続は2月3日午後1時まで)
東京巣鴨中学校25,000円入学金 350,000円
神奈川聖光学院中学校30,000円入学金300,000円+設備拡充費280,000円=580,000円(制服代等は別途)

栄東(埼玉)が「抑え校」として選ばれる理由

栄東は試験日が1月10日〜16日と首都圏でもっとも早い一方、入学手続きの期限は2月7日です。つまり1月に合格を確保しておき、2月1日以降に実施される東京・神奈川の本命校の結果を見てから、栄東に入学するか本命校に進むかを決められます。

この「先に確保してから本命の結果を待つ」という動き方が、埼玉・千葉の学校が「抑え校」として選ばれやすい理由です。試験日は早いものの入学手続きの期限に余裕があるかどうかは学校ごとに異なるため、抑え校として使えるかは個別に確認が必要です。

出願日・合格発表日・入学金納付の期限まで含めた時系列は、中学受験スケジュール完全ガイドで一覧にしています。

試験日から入学手続の期限までの日数(実例4校)

試験日が早いことと、入学金を払う時期が早いことは別です。2026年度の募集要項で、埼玉・千葉・東京の4校について試験日と入学手続の期限を並べると次のとおりです。

学校試験日入学手続の期限(要項の記載)手続時に納める額
栄東(埼玉)1月10日(I)・11日(II)・12日・16日(III)2月7日(土)15:00まで入学金250,000円
渋谷教育学園幕張(千葉)第1回1月22日(合格発表1月24日)1月24日14:00〜25日15:00に入学金を納入。50,000円を期間内に決済すれば残額は2月3日18:00まで延納できる入学金300,000円
開成(東京)2月1日(合格発表2月3日12:30頃)2月4日(水)15:00まで入学金320,000円+施設拡充資金120,000円
巣鴨(東京)第Ⅰ期2月1日(合格発表2月1日18:00から)2月2日(月)15:00まで。出願時に手続延期を選ぶと2月6日(金)15:00まで入学金350,000円

栄東は最初の試験日から手続期限まで約4週間あり、2月1日以降の東京・神奈川の結果を見てから決められます。一方、渋谷教育学園幕張は同じ1月入試でも、合格発表の翌日の15:00までに入学金300,000円を納める設計です(残額の延納を使っても、期限は2月3日18:00)。つまり、1月に受ける学校がどこも「結果を待ってくれる」わけではありません。

東京の2校は、開成が入学手続を合格発表の翌日15:00まで、巣鴨は出願時に手続延期を選ばなければ試験翌日の15:00までです。納めた入学金は返金されないと、栄東・渋谷教育学園幕張・巣鴨の要項に書かれています。

開成は、手続完了後の辞退が2月28日正午までなら施設拡充資金のみ返還されます。併願の組み合わせを決めるときは、受験料だけでなく、こうした入学金の納付時期と返金条件も一緒に確認してください。

地域差が生む「先に受けて、後で決める」戦略

この地域差を利用して、先に埼玉・千葉で合格を確保し、2月の東京・神奈川の本命校の結果を見てから入学先を決めるという動き方が一般的です。

受験料の面から見ると、都県をまたいで併願校を増やすほど、受験料の総額は単純に加算されていきます。1校あたり25,000円〜30,000円という相場は、この記事で確認した8校とも大きく変わりませんでした。

入試日程・受験料は年度や学校によって変わります。志望校を検討する際は、必ず各校の最新の生徒募集要項でご確認ください。

よくある質問

Q東京・神奈川の中でも学校によって試験日は違いますか

はい。この記事の実例でも、麻布・開成・巣鴨は2月1日、女子学院・聖光学院は2月2日と、東京・神奈川の中でも1日ずれる学校があります。志望校群の日程が重ならないかは、各校の募集要項で個別に確認する必要があります。

Q埼玉・千葉の学校を受けるのは「本命ではない」ということですか

そうとは限りません。埼玉・千葉にも進学実績の高い学校が多くあります。ただし東京・神奈川の学校より早い時期に結果が出るため、本命校の前に受験の実地経験を積む、または合格を確保しておく目的で活用されることが多いです。

Qこの地域差を受験料の総額に反映させるにはどうすればいいですか

併願校数を都県をまたいで増やすほど、受験料の総額は単純に1校あたりの相場×校数で増えます。総額費用逆算シミュレーターの併願校数の入力で、都県をまたいだ併願パターンも試算できます。

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