転校・転編入学

私立中学から私立中学・公立中学から私立中学へ転校できるか:欠員時の転・編入試験と3パターンの違い

私立中学から私立中学へ、公立中学から私立中学へ転校できるのは、転校先に欠員が出て、学期末ごとの転・編入試験に応募して合格した場合だけです(東京都の例)。私立から公立への転校は、市町村教育委員会が相当と認めるかどうかで決まります。中学受験をするかどうかを考えるとき、費用や通学だけでなく「進学後に学校を変える必要が出た場合、転校できるか」も判断材料になります。公立中学から私立中学へ、私立中学から私立中学へ、私立中学から公立中学へ、の3パターンで転校の仕組みが違います。文部科学省と東京都の一次資料で確認します。

対象: 私立中学校・公立中学校の転校・転編入学に関する一般的な制度(文部科学省・東京都の一次資料)
公開 2026-09-26最終確認 2026-09-26合同会社フューチャープロンプト

公立から私立・私立から私立:転入先の欠員と転・編入試験

東京都の例では、私立中学校・高等学校の転・編入試験は、学校に欠員が出た場合に、各学期末ごとに実施される仕組みです。東京私立中学高等学校協会が各私立学校に調査を行い、東京都生活文化局が学期末ごとにとりまとめて発表しています。

応募資格は学校ごとに「転勤・転居」「海外帰国」「条件なし」のいずれかに分かれており、選抜日を「随時」とする学校でも、応募状況によっては募集が終了している場合があります。つまり、私立中学から別の私立中学への転校は、欠員という条件が満たされたときにしか成立しません。転入先が私立中学であれば、転入元が公立中学の場合も、窓口は転入先の学校が実施する転・編入試験です。

転・編入試験の発表時期と手続きに必要な書類

東京私立中学高等学校協会のページ(2026年6月11日更新)によると、令和8年度の2学期末の転・編入試験は令和8年11月中旬頃、3学期末は令和9年2月中旬頃に発表予定です。実施校の一覧は東京都生活文化局の公表資料で見られます。

手続きに主に必要なものとして、同協会は次の6点を挙げています。(1)願書(志願する学校から取り寄せます)、(2)志願者と保護者の住所または転居先が確認できるもの、(3)転学照会書、(4)在学証明書、(5)成績証明書、(6)その他志願する学校が求める書類です。転学照会書と在学証明書は、在学している学校の校長が発行したものを使います。

このほかに入学考査料がかかります。転学照会書と在学証明書は在学中の学校に発行してもらう書類なので、志願を決めた段階で早めに学校へ相談しておくと安心です。

出願方法や必要書類の詳細は学校ごとに違うため、必ず志願する学校に確認してください。

出典: 東京私立中学高等学校協会「転・編入試験について」(2026年10月8日確認)。

私立から公立・公立間:就学校の指定変更の仕組み

公立中学校は義務教育のため、私立中学の転・編入試験とは異なる仕組みがあります。文部科学省の一次資料によると、市町村教育委員会は、いじめへの対応・通学の利便性・部活動等の理由のほか、相当と認めるときは、保護者の申立てにより指定した学校を変更できるとされています。

つまり、変更が認められるかどうかは、市町村教育委員会の判断によります(学校教育法施行令第8条)。学年途中の転校(就学校の指定の変更)も、市町村教育委員会が相当と認めれば可能です。

転居によって別の市町村の学校に通わせたい場合は、住所地の教育委員会と転居先の教育委員会が協議し、転居先の教育委員会が承諾すれば就学できる「区域外就学」という手続きもあります(同令第9条)。

区分転校の仕組み成立する条件
公立中学・私立中学 → 私立中学各学期末の転・編入試験転校先の学校に欠員が出ること
私立中学 → 公立中学 / 公立中学間就学校の指定変更・区域外就学市町村教育委員会が相当と認めること

私立中学へ転校するときにかかるお金:麗澤中学校の例

転・編入試験を実施する私立中学の募集要項から、転校時の費用を麗澤中学校(千葉県柏市)の2026年3月実施の転編入試験で確認しました。受験料は22,000円、合格後に入学金300,000円を手続締切日(発表日の7日後)までに納める形です。入学金は理由によらず返金されないと明記されています。

入学金以外の学校納入金は入学後の納入で、授業料(年額354,000円)・施設費(年額201,000円)・教育充実費(年額60,000円)は転入する学期で変わります。1学期からは年額、2学期からは年額の2/3、3学期からは年額の1/4です。3項目の年額合計615,000円で計算すると、2学期からの転入は約410,000円、3学期からの転入は約153,750円になります(この金額は募集要項の割合を使った当サイトの計算です)。

制服は約99,000円(体操服等を含む)、教材費等は約70,000円(1年次見込)、ノートPCは約100,000円(保険込、全員購入)、食費は年額138,000円(転入する学期から学期単位で請求)と、同じ募集要項に載っています。研修旅行積立金(月額22,000円)は、編入生は1年次から編入時までの相当分を研修旅行前にまとめて納めます。つまり、転校では入学金・制服・教材・PCといった入学時の費用がほぼもう一度かかります。

金額は学校ごとに大きく違い、受験料だけでも東北学院中学校(仙台市)の転入学は12,000円と、麗澤中学校の22,000円より低い例があります。ここに挙げた金額は2校の公表値であり、すべての私立中学の相場ではありません。

志願する学校の最新の募集要項で、受験料・入学金・学期ごとの納入額・制服などの個別費用を確認してください。公立中学への転校(就学校の指定変更)の費用は、この記事では一次資料で確認できていないため、住所地の教育委員会と転校先の学校にご確認ください。

出典: 麗澤中学校「2026年度 転編入学試験要項」(学校納金は2026年度予定)、東北学院中学校「転入・編入試験案内」。いずれも学校の公表資料(2026年10月8日確認)。

高校受験ルートを選んだ場合の転校

中学受験をせず公立中学に通い、高校受験をするルートを選んだ場合も、高校入学後に学校を変える可能性がゼロになるわけではありません。高校も私立中学と同様に、欠員が出た場合の転入学・編入学試験という枠組みがあり、公表の仕方や時期は都道府県によって違います。

高校段階の転校・退学を具体的にどう判断すればよいかは、転校・退学を判断する基準を見る(高校進路デスク)で詳しく解説しています。実際の手続きの順番は高校の転学・編入に必要な手続きと流れで比べられます。

一貫校で高校段階から転学する場合の根拠と受け入れ条件は高校段階の転学の記事で確認できます。

転校・転編入学を受け入れるかどうか、具体的な条件は学校・年度・欠員状況によって変わります。この記事は制度の一般的な違いを一次資料で整理したものであり、個別の学校が転校を受け入れるかどうかを断定するものではありません。実際に検討する場合は、志願する学校または住所地の教育委員会に直接ご確認ください。

よくある質問

Q私立中学から公立中学に転校することはできますか

公立中学は義務教育のため、市町村教育委員会が相当と認めれば、学年途中でも転校(就学校の指定変更)を受け入れる仕組みがあります(学校教育法施行令第8条)。転居を伴わない場合の具体的な受け入れ可否・手続きは市町村教育委員会によって異なるため、この記事では一般的な制度の存在までを確認しており、個別の可否は住所地の教育委員会にご確認ください。

Q私立中学から別の私立中学に転校することはできますか

学校に欠員が出た場合に限り、学期末ごとに転・編入試験が実施されることがあります。東京都の例では、応募資格が「転勤・転居」「海外帰国」「条件なし」のいずれかに学校ごとに分かれており、欠員がなければ実施されない年度もあります。必ず転校できる制度ではなく、志願先の学校に個別の確認が必要です。

Q高校受験ルートを選んだ場合、高校入学後に転校できますか

高校も私立中学と同様に、欠員が出た場合の転入学・編入学試験という枠組みがあり、公表の仕方は都道府県によって違います。詳しい確認方法は、高校進路デスクの「転校・退学を判断する基準を見る」で解説しています。

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本記事の相場・統計の出典と確認日はすべて出典・更新履歴で公開しています。制度・料金の変更を確認した場合は、記事と出典を同じタイミングで更新します。個別の合否判定・学校選びの相談は行っておらず、公式情報・学校説明会・塾への相談を優先してください。