4校の公式資料に載っている費目をすべて合計すると、授業料の安さは実際の負担の軽さを意味しないと分かります。授業料が最も安い栄東(年36万円)が、預り金まで含めた額では最も高い94万円になりました。授業料では36万円と54万円で1.5倍の開きがありますが、預り金まで含めると栄東が最も高くなります。
預り金を公開している3校(栄東・渋谷教育学園幕張・開成)で比べると、実際に払う額は90万〜94万円の範囲に収まり、授業料ほどの差はありません。
私立中学を学費で比べるとき、多くの人が見るのは授業料です。しかし公式資料を費目ごとに読むと、授業料が最も安い学校が、学校が預かるお金まで含めた額では最も高くなりました。授業料の安さは、実際の負担の軽さを意味しません。実例4校で確かめます。
4校の公式資料に載っている費目をすべて合計すると、授業料の安さは実際の負担の軽さを意味しないと分かります。授業料が最も安い栄東(年36万円)が、預り金まで含めた額では最も高い94万円になりました。授業料では36万円と54万円で1.5倍の開きがありますが、預り金まで含めると栄東が最も高くなります。
預り金を公開している3校(栄東・渋谷教育学園幕張・開成)で比べると、実際に払う額は90万〜94万円の範囲に収まり、授業料ほどの差はありません。
| 学校(年度) | 授業料 | 毎年納める額 (授業料+施設費等) | 預り金まで含めた額 |
|---|---|---|---|
| 栄東(埼玉) 令和7年度(2025年度) | ¥360,000 | ¥605,000 | ¥935,000 |
| 渋谷教育学園幕張(千葉) 2026年度 | ¥468,000 | ¥750,000 | 約¥902,000 |
| 開成(東京) 2026年度 | ¥528,000 | ¥760,200 | ¥920,200 |
| 麻布(東京) 2025年度 | ¥542,400 | ¥876,200 | ¥876,200 預り金の記載なし |
金額はいずれも年額です。月額で示されている費目は12倍しました。渋谷教育学園幕張の積立金・教材費は公式資料が「程度」と表記しているため「約」を付けています。麻布は公式資料に預り金にあたる区分の記載がないため、右端の金額は他の3校と同じ条件での比較にはなりません(記載がないことは、預り金がないことを意味しません)。
この入れ替わりを生んでいるのは、授業料でも施設費でもない「学校が預かるお金」です。教材費や旅行費として使われる実費の前払いで、学校によって名前が違います。
栄東は預り金諸費(年21万円)と修学旅行積立金(月1万円)、開成は学級費(第1学年16万円)、渋谷教育学園幕張は積立金と教材費を預かります。授業料と施設費だけで比べると栄東が最も安く見えますが、預り金を足すと最も高くなります。
一方、麻布の公式資料にはこの区分の記載がありません。記載がないことは「預かるお金がない」という意味ではなく、資料の書き方が他の3校より大まかだということです。預り金を公開している3校はそれぞれ年15万〜33万円を預けており、麻布にも同種の費用があれば順位は変わります。
同じ「授業料以外の費用」でも、名前も内訳も学校ごとに違います。どの学校の資料を読むときも、授業料の欄だけでなく費目の一覧を最後まで見る必要があります。
これとは別に: 学校指定の情報端末(令和7年度実績87,000円)、制服代(昨年度実績で男子約175,860円・女子約195,730円)、任意の寄付金(1口50,000円で2口以上)、給食費
これとは別に: 第2学年から毎年かかる施設拡充資金(年額70,000円)、第1学年に限り任意の寄付(1口10万円で1〜2口)
上の合計に入れていないものが4種類あります。任意の寄付金、実績値として示された金額、2年次以降にだけかかる費目、そして金額が公表されていない費目です。
栄東は学校指定の情報端末を令和7年度実績で87,000円、任意の寄付金を1口50,000円で2口以上と案内しています。制服代も昨年度実績としての提示で、給食費は金額の記載がありません。開成は第1学年に限り1口10万円で1〜2口の寄付(任意)を案内し、第2学年からは施設拡充資金が年額70,000円かかります。これらを含めると負担はさらに大きくなり、2年目以降は学年によって金額が変わる学校もあります。
ここまでの金額は、すべて学校へ納めるものです。文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、私立中学校に通う家庭の学習費総額は年間約156万円で、この中には学校外での塾代・習い事といった学校外活動費も含まれます。
入学後も塾や予備校に通う家庭は少なくないため、学校納付金だけで家計の見通しを立てないほうが安全です。
東京都にお住まいなら、入学後の授業料に対して所得制限なしの助成金があります。受験そのものにかかる総額は総額費用逆算シミュレーターで試算できます。
学校によって、費用をどの名目で集めるかが違うためです。栄東は授業料を月30,000円に抑えている一方で、施設設備拡充費(年20万円)を別に徴収し、さらに預り金諸費(年21万円)と修学旅行積立金(月1万円)を預かります。授業料の金額だけでは、その学校に毎年いくら払うのかは分かりません。
学校が預かるお金(積立金・学級費・預り金)は、教材費や旅行費として使われる実費の前払いにあたり、授業料や施設費とは性質が違うためです。ただしどちらも家計から出ていく点は同じなので、この記事では両方を示しています。学校によって預り金の有無や名目が違うため、片方だけを見ると比較が歪みます。
含まれていません。この記事の金額は、学校へ納めるものだけです。文部科学省の調査では、私立中学校に通う家庭の学習費総額(学校外の塾代等を含む)は年間約156万円で、学校納付金はその一部にあたります。
各校が公式サイトで公開している最新の資料をそのまま使っているためです。開成と渋谷教育学園幕張は2026年度、麻布と栄東(令和7年度)は2025年度の資料です。年度をまたぐ比較になっている点にご留意ください。
別です。入学金・施設拡充資金などの一時金は、この記事の年間納付金には含まれていません。入学時の金額は学校別費用比較の記事で8校分を比較しています。
本記事の相場・統計の出典と確認日はすべて出典・更新履歴で公開しています。制度・料金の変更を確認した場合は、記事と出典を同じタイミングで更新します。個別の合否判定・学校選びの相談は行っておらず、公式情報・学校説明会・塾への相談を優先してください。