私立中学の入学後に家計が急変した場合の支援制度は、都道府県が私立学校向けに設ける補助金と学校が独自に設ける授業料免除・奨学金の2種類があり、運営主体も申請先も別です。どちらか一方しかない都道府県・学校もあれば、両方ある場合もあります。
本記事では、一次資料で内容を直接確認できた埼玉県の制度と、開成学園の制度を実例として、それぞれの対象・所得判定・申請先の違いを整理します。全国一律の制度ではないため、まずはご自身の都道府県と学校それぞれで制度の有無を確認することが出発点になります。
私立中学に入学した後で、保護者の失職や離婚などにより家計が急変することがあります。そのときの支援は「都道府県の制度」と「学校独自の制度」という別々の窓口に分かれており、対象・所得の判定基準・申請先がそれぞれ異なります。埼玉県と開成学園の実例を一次資料で確認し、確認する順番を整理します。
私立中学の入学後に家計が急変した場合の支援制度は、都道府県が私立学校向けに設ける補助金と学校が独自に設ける授業料免除・奨学金の2種類があり、運営主体も申請先も別です。どちらか一方しかない都道府県・学校もあれば、両方ある場合もあります。
本記事では、一次資料で内容を直接確認できた埼玉県の制度と、開成学園の制度を実例として、それぞれの対象・所得判定・申請先の違いを整理します。全国一律の制度ではないため、まずはご自身の都道府県と学校それぞれで制度の有無を確認することが出発点になります。
埼玉県の「父母負担軽減事業補助金」(県内私立小学校・中学校・中等教育学校〈前期課程〉用)のリーフレットによると、対象は埼玉県内の私立小・中学校・中等教育学校(前期課程)に在学し、児童生徒・保護者がともに埼玉県内に在住していることです。
「家計急変世帯」として新たに申請する場合、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ①事由 | 令和7年の所得の多い方の保護者が失職等・死亡・被災に該当、または離婚により保護者でなくなっている(定年退職・産休・有期雇用契約の満了は原則「失職等」に非該当。共同親権を選択している場合は原則「離婚」に非該当) |
| ②時期 | 対象期間内に発生(1年生は入学後〜令和8年12月31日、2年生以上は令和8年1月1日〜12月31日) |
| ③所得 | 令和7年中の所得の少ない方の保護者の令和8年度住民税所得割額が354,500円未満(モデル世帯=両親・高校生・中学生の4人家族で片働きの場合、目安年収約720万円未満) |
補助額は授業料補助額(上限額)336,000円で、新規申請の場合は家計急変が発生した月の翌月から月割りで支給されます。
すでに前年以前から家計急変が続いている「継続申請」の場合は、より厳しい基準(住民税所得割額135,000円未満・目安年収約400万円未満、保有資産700万円未満、収入状況が改善していないこと)のすべてを満たす必要があります。入学前の家計急変は、新規申請・継続申請ともに補助の対象になりません。申請の締切は学校ごとに定められているため、該当しそうな場合はまず学校に相談することが案内されています。
東京都には所得制限のない授業料軽減助成金があり、埼玉県とは仕組みが異なります。詳しくは東京都の助成金の記事で確認できます。
開成学園の公式サイトによると、中学校・高等学校入学後、家計の急変等があり、経済的理由で学業の継続が困難になった生徒を支援するため、「授業料特別免除」と「就学支援奨学金」の制度を設けています。
「授業料特別免除」の給付条件は①保護者の家計急変により、学業の継続が困難になった生徒。②保護者の死亡または離別により、学業の継続が困難になった生徒で、給付範囲は授業料、返還義務はありません。期間は1年で、継続する場合は更新手続が必要です。
「就学支援奨学金」は給付条件が授業料特別免除と同じで、給付範囲は施設維持費・実験実習費・施設拡充資金・父母と先生の会会費・生徒会費・学級費に及びます。返還義務はなく、期間は1年(更新可、原則として通算2年まで)です。
埼玉県の制度が住民税所得割額という数値基準で判定するのに対し、開成学園の制度は保護者の経済的状況等を学園の理事会・奨学金委員会において審議し、決定するとされており、数値基準は公開されていません。
入試の成績で決まる特待生制度は、また別の仕組みです。特待生・奨学金制度の記事で栄東・渋谷教育学園幕張・開成の実例を紹介しています。
家計急変時の支援は制度ごとに窓口・基準が異なるため、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
1. まず学校に相談する(学校が申請窓口になっているケースが多く、締切も学校ごとに違います)。
2. お住まいの都道府県に、私立小中学生向けの家計急変支援制度があるかを確認する(制度名・所得判定の基準は都道府県ごとに異なり、無い都道府県もあります)。
3. 学校独自の授業料免除・奨学金制度の有無を確認する(給付条件・給付範囲は学校ごとに大きく異なります)。
4. 該当しそうな制度があれば、所得判定の基準(住民税所得割額など)と、対象となる家計急変の事由の範囲を、その制度の一次資料で確認する。
受験にかかる費用の総額は総額費用逆算シミュレーターで確認できます。
まずお子さんが通う学校に相談してください。埼玉県の制度のように「申請締切は学校ごとに定めている」制度もあり、学校が窓口になっているケースが大半です。そのうえで、お住まいの都道府県に私立中学生向けの家計急変支援があるか、学校独自の授業料免除・奨学金制度があるかを、それぞれ別に確認する必要があります。
本記事で確認した埼玉県と開成学園の制度は別々の主体(県と学校)が運営しており、それぞれの給付条件を満たせば両方の申請が可能かどうかは、制度の原文だけでは判断できません。重複利用の可否は、お住まいの都道府県の窓口と学校の両方に個別に確認してください。
埼玉県の制度では「保護者の失職等・死亡・被災」または「離婚により保護者でなくなった」場合を家計急変としており、《定年退職や産休、有期雇用契約の満了等の場合は、原則「失職等」には該当しません》《共同親権を選択している場合は、原則「離婚」には該当しません》という注記があります。開成学園の制度でも「保護者の家計急変」「保護者の死亡または離別」が給付条件です。何が家計急変にあたるかは制度ごとに線引きが異なるため、個別の事情に該当するかは必ず窓口に確認してください。
埼玉県の制度は住民税所得割額(道府県民税・市町村民税の合算額)で判定します。新規申請は《所得の少ない方の保護者の令和8年度住民税所得割額が354,500円未満》(モデル世帯で目安年収約720万円未満)、継続申請は《135,000円未満》(目安年収約400万円未満)とより厳しい基準になります。学校独自の制度は、開成学園のように学園内の理事会・奨学金委員会が個別に審議するケースもあり、都道府県のような明確な数値基準が公開されているとは限りません。
本記事の相場・統計の出典と確認日はすべて出典・更新履歴で公開しています。制度・料金の変更を確認した場合は、記事と出典を同じタイミングで更新します。個別の合否判定・学校選びの相談は行っておらず、公式情報・学校説明会・塾への相談を優先してください。