贈与税祖父母から教育資金の一括贈与、非課税措置は令和8年3月末で新規受付終了:中学受験費用への影響
祖父母から中学受験の塾代や入学金の援助を考えるとき、関わってくるのが贈与税の非課税制度です。長く使われてきた「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」は、令和8年3月31日で新規の受付が終了しました。何が終わり、何が続くのかを国税庁のタックスアンサーで確認します。
対象: 祖父母等から中学受験費用の援助を検討している家庭(国の制度、全国共通)
公開 2026-09-07最終確認 2026-09-07合同会社フューチャープロンプト
1,500万円まで非課税、平成25年から続いてきた制度
国税庁のタックスアンサー「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」(教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置)によると、平成25年4月1日から令和8年3月31日までの間に、30歳未満の子や孫が、金融機関との教育資金管理契約に基づいて父母や祖父母から信託受益権や金銭等を受け取った場合、1,500万円までの金額が贈与税の非課税になる制度です。
受け取る側(受贈者)は教育資金管理契約を締結する日において30歳未満であることが要件で、贈与する側(贈与者)は受贈者の直系尊属、つまり父母や祖父母などに限られます。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税(教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置) |
| 非課税枠 | 受贈者1人につき1,500万円まで |
| 受贈者の要件 | 教育資金管理契約の締結日において30歳未満 |
| 贈与者 | 受贈者の直系尊属(父母・祖父母等) |
| 対象期間(拠出) | 平成25年4月1日〜令和8年3月31日 |
| 根拠法令 | 租税特別措置法第70条の2の2等 |
令和8年3月31日で新規の受付が終了した
国税庁のタックスアンサーにはこの特例は、令和8年3月31日までとされていた適用期限が延長されずに終了することとされたため、令和8年4月1日以後については、この特例の適用を受けることはできませんと明記されています。文部科学省のページでも「教育資金管理契約に基づく信託等可能期間は延長されずに令和8年3月31日までで終了しました」と同じ終了時期が案内されています。
これから祖父母に中学受験費用の援助を頼もうと考えている家庭にとっては、この制度を新たに使うという選択肢は無くなったということです。
すでに契約している資金は使い続けられる
一方で、国税庁のタックスアンサーは令和8年3月31日までにこの特例の適用を受けた信託受益権または金銭等については、引き続きこの特例が適用されますとも明記しています。すでに祖父母との間で信託等の契約を結んでいる家庭は、その資金を非課税のまま教育資金として使い続けられます。
ただし注意点もあります。国税庁は教育資金管理契約の契約期間中に贈与者が死亡した場合や、教育資金管理契約が終了した場合には、それぞれ相続税または贈与税がかかることがありますと案内しています。契約している金融機関に、現在の残高や契約終了時の扱いを確認しておくと安心です。
受験にかかる費用の総額は総額費用逆算シミュレーターで、年収に対する負担の考え方は年収と教育費の記事で確認できます。
これから援助を受ける場合に使えるのは「都度贈与」
一括贈与の非課税措置が新規に使えなくなっても、祖父母からの教育費の援助そのものが全て課税されるわけではありません。国税庁のタックスアンサー「贈与税がかからない場合」には、夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるものには贈与税がかからないと定められています。ここでいう教育費とは学費や教材費、文具費などです。
ただし範囲には条件があります。贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかるとも明記されており、まとめて先に受け取って預金しておく使い方は対象になりません。塾代や入学金の支払いが必要になったタイミングで、その都度、直接充ててもらう形が要件に沿います。
本記事は国税庁タックスアンサー(No.4510「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」、No.4405「贈与税がかからない場合」、いずれも令和8年4月1日現在法令等)で確認した内容です。税制は年度によって変わるため、最新の内容は国税庁の公式ページでご確認ください。個別の贈与税の計算・申告の要否については判断できませんので、税理士または税務署にご相談ください。
よくある質問
Q令和8年4月以降は、祖父母から教育資金の援助を受けられなくなるのですか
終了したのは、金融機関に信託等をして1,500万円まで非課税にする「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」という制度の新規受付だけです。国税庁のタックスアンサーには「令和8年3月31日までとされていた適用期限が延長されずに終了することとされたため、令和8年4月1日以後については、この特例の適用を受けることはできません」と明記されています。一方、祖父母から必要な都度、学費や教材費として直接受け取る「都度贈与」は、この制度とは別の非課税規定として今後も使えます。
Qすでに信託等の契約をしている場合はどうなりますか
国税庁のタックスアンサーには「令和8年3月31日までにこの特例の適用を受けた信託受益権または金銭等については、引き続きこの特例が適用されます」と明記されています。契約済みの資金は非課税のまま使い続けられます。ただし契約期間中に贈与者が亡くなった場合や契約が終了した場合には、相続税または贈与税がかかることがあるため、契約先の金融機関にご確認ください。
Q都度贈与ならいくらでも非課税になりますか
いいえ。国税庁のタックスアンサーには「生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます」とあり、「生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかる」とも明記されています。必要な塾代・入学金などを、支払いが必要になったタイミングで直接充てる場合に限られ、まとめて預金しておく使い方は対象になりません。
Q中学受験の塾代や入学金は、教育資金の一括贈与の対象に含まれますか
教育資金として扱える費目の詳細な線引きは、契約先の金融機関の案内や国税庁のQ&Aで定められています。既に信託等の契約がある場合の個別の費目の扱いは、契約先の金融機関または国税庁のQ&Aでご確認ください。本記事では、一次資料で確認できた制度の骨格(対象期間・非課税枠・終了後の扱い)のみを扱っています。
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