ひとり親家庭向け貸付

ひとり親の私立中学入学費用に使える貸付(就学支度資金)

母子家庭(ひとり親家庭)が私立中学の入学費用に借りられるかは、年収(所得)の条件で分かれます。ひとり親家庭や寡婦の生活の安定と子どもの就学のための貸付制度「母子父子寡婦福祉資金」には、在学中の費用に使う「修学資金」と、入学時の一時金に使う「就学支度資金」があります。 修学資金は高等学校以上が対象で私立中学の授業料には使えませんが、就学支度資金は所得税非課税世帯等に限り小学校・中学校も対象に含める自治体があります。神戸市・千葉県・横浜市・焼津市の現行公式案内を比較します。

対象: ひとり親家庭(母子家庭・父子家庭)・寡婦で、私立中学入学時の資金の使い道を確認したい人(自治体・所得要件により対象は異なる)
公開 2026-09-08最終確認 2026-10-09合同会社フューチャープロンプト
先に要点(ひとり親家庭向けの貸付)

修学資金は高校以上、就学支度資金は年収で分かれる

母子父子寡婦福祉資金には、進学・就学のための貸付として「修学資金」と「就学支度資金」の2種類があります。神戸市の案内によると、修学資金は高校、大学、大学院、短期大学、高等専門学校または専修学校に就学するために必要な資金で、小学校・中学校は対象学校に含まれていません。千葉県の案内も同様に、修学資金の対象を高等学校、高等専門学校、短期大学、大学、大学院又は専修学校としており、私立中学の授業料等の継続費用に修学資金は使えません。

一方、就学支度資金(入学金・受験料・被服費等の入学時費用)は、神戸市の案内では対象学校に小学校、中学校、高校、大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校または修業施設を挙げたうえで、小・中学校の貸付は、所得税非課税または経済状況が生活保護世帯と同程度の場合のみという条件を付けています。

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総額の目安(塾代・受験料・入学関連費用)¥2,558,000〜¥3,318,000きょうだいなし・併願4校の場合の概算です。
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4自治体の現行案内を比較する

自治体就学支度資金の対象学校(公式案内の表現)中学校への言及
神戸市小学校、中学校、高校、大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校または修業施設あり(所得税非課税または生活保護世帯と同程度の場合のみ)
千葉県(所得税非課税世帯等に限り)小学校64,300円以内、中学校81,000円以内あり(所得税非課税世帯等の場合のみ)
横浜市高校、大学、大学院、専修学校等の入学金等の貸付なし
静岡県焼津市市のページの記載: 高等学校、専修学校(高等課程)、高等専門学校、大学、大学院、短期大学、専修学校(専門課程)市のページにはなし(静岡県の案内には小・中学校の記載あり)

神戸市・千葉県はいずれも、所得税非課税またはそれに準じる経済状況の世帯に限って、就学支度資金の対象に小学校・中学校を含めることを公式ページに明記しています。横浜市のページと焼津市のページには中学校への言及がありません(焼津市分は静岡県の案内に小・中学校の記載があります)。このことが制度上の対象外を意味するのか、対象者が少ないため案内を高校以上に絞っているだけなのかは、確認した公式ページの記載だけでは判別できません。

母子家庭で中学受験できる年収の目安:公式の基準はなく、貸付は所得税非課税等が条件

中学受験ができる年収の下限を決めた公的な基準は、今回確認した公式ページにはありません。私立中学に通う費用の目安としては、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」で、世帯の年間収入が400万円未満の私立中学の学習費総額が年106.4万円、同じ区分の公立中学が年38.1万円です(差は年68.3万円)。

この数字は母子家庭だけの集計ではなく、中学受験をした家庭だけの平均でもありません。受験前の塾代や入学金は含まれないため、受験できるかどうかは、受験前後の総額を世帯の年収に置き換えて試算して判断します。

貸付を使う場合は、前の節のとおり、神戸市・千葉県では中学校の就学支度資金が所得税非課税世帯等に限られます。年収が一定以上あると対象外になる可能性があるため、借りる前提で計画を立てず、窓口で先に確認してください。

年収の区分ごとの学習費は世帯年収別の中学校の学習費の記事に、全区分の表があります。世帯の年収を入れた総額の試算は、下のシミュレーターで行えます。

自分の世帯年収の帯を選ぶと、年収を入れた状態で総額の試算画面が開きます(年収は総額の計算には影響せず、年あたりの負担が年収の何割かの表示に使われます)。

申請前にそろえる書類と時間の目安

千葉県の案内では、申請は市町村のひとり親家庭福祉担当課への相談から始まり、希望する資金の種類によって申請時に必要な書類が異なるとされています。申請から貸付けの決定・支払まで、おおむね2〜3か月程度かかるため、余裕を持って相談するよう案内されています。神戸市の案内では、修学資金について、学校が発行した資料や領収書など、経費の内訳がわかる書類の提出が必要とされています。

書類の一覧は自治体と資金の種類で変わるため、窓口で案内された書類を、受験する学校の募集要項、振込控え、合格通知とあわせて学校ごとに分けて保管しておくと、提出のときに探す手間が減ります。

貸付の申請から支払までに2〜3か月ほどかかるため、受験料や入学金を払う時期は 中学受験の費用がかかる時期の日程の記事 と照らして、早めに窓口へ相談してください。

確認する順番

私立中学の入学時費用への利用を検討する場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  1. まず「修学資金」ではなく「就学支度資金」の案内を確認する(修学資金は高校以上限定のため、中学校の入学時費用には使えません)。
  2. 就学支度資金の説明に中学校が明記されているかを確認する。明記があれば、所得税非課税等の追加要件も併せて確認する。
  3. 明記がない場合も対象外と決めつけず、お住まいの自治体(都道府県または市区町村)の福祉担当窓口に直接問い合わせる。
  4. 対象になる場合は、貸付額の上限、返済条件(据置期間・利率)、申請時期を公式案内で確認する。

私立中学在学中に家計が急変した場合の都道府県・学校独自の制度は家計急変時の授業料減免の記事、就学援助の対象になるかは就学援助の記事で確認できます。支援制度の探し方の全体像は私立中学の学費支援の探し方の記事にあります。

児童扶養手当の見直しの時期と確認の順序は児童扶養手当の見直しの記事で確認できます。離婚後に子どもを育てる場合の申請手順は、児童扶養手当の申請の流れ(離婚手続きデスク)にまとめられています。

次に確かめること

本記事は神戸市・千葉県・横浜市・静岡県焼津市の各公式ページ(2026年10月9日確認。静岡県の案内も併せて確認)で確認した内容です。母子父子寡婦福祉資金の対象・貸付額・要件は自治体ごとに異なり、この4自治体以外の対応については未調査です(対象にならないと断定するものではありません)。貸付は返済を伴う制度であり、個別の貸付可否は判断できませんので、必ずお住まいの自治体の福祉担当窓口でご確認ください。

よくある質問

Q母子父子寡婦福祉資金は私立中学の入学金に使えますか

「就学支度資金」であれば、自治体によっては中学校の入学時費用も対象に含めています。神戸市の案内では、就学支度資金の対象学校に小学校・中学校を含めたうえで、小・中学校の貸付は、所得税非課税または経済状況が生活保護世帯と同程度の場合のみと条件を付けています。千葉県も所得税非課税世帯等に限り、中学校で81,000円以内の貸付を案内しています。一方、私立中学の授業料など在学中の継続費用に使う「修学資金」は、確認できたいずれの自治体でも高等学校以上が対象で、中学校の授業料には使えません。

Q修学資金と就学支度資金の違いは何ですか

就学支度資金は入学時に一度だけ必要な受験料・入学金・被服費等に充てる資金、修学資金は入学後に継続してかかる授業料・書籍代・交通費等に充てる資金です。今回確認した4自治体(神戸市・千葉県・横浜市・焼津市)はいずれも、修学資金の対象を高等学校以上(高校・高等専門学校・短期大学・大学・大学院・専修学校等)としており、中学校を含めていません。

Q横浜市や焼津市の案内に中学校の記載がないのは、対象外という意味ですか

横浜市のページと焼津市のページは、就学支度資金・修学資金とも対象を「高校、大学」等と説明し、小学校・中学校への言及がありません。ただし焼津市は静岡県の制度で、静岡県の案内には就学支度資金の対象に小・中学校を含むとの記載があります。これが神戸市・千葉県のような小中学校向けの制度が無いことを意味するのか、対象者が少ないため案内を高校以上に絞って説明しているだけなのかは、本記事で確認した公式ページの記載だけでは判別できません。中学校入学時の利用を検討する場合は、記載の有無にかかわらず、お住まいの自治体の福祉担当窓口に直接確認することをおすすめします。

Q対象になるのはどのような家庭ですか

母子父子寡婦福祉資金は、母子家庭の母・父子家庭の父・寡婦等が扶養する児童の就学を支援する貸付制度です。中学校を対象に含める就学支度資金についても、この対象者の範囲内であることに加え、神戸市・千葉県の案内では所得税非課税世帯等であることが追加の要件とされています。

Q母子家庭の年収が低くても中学受験はできますか

年収だけで受験の可否を決める公式の基準は、確認した公式ページにはありません。文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」では、年間収入400万円未満の世帯の私立中学の学習費総額は年106.4万円、公立中学は年38.1万円で、母子家庭だけの集計ではありません。貸付を使う場合、神戸市・千葉県では中学校の就学支度資金が所得税非課税世帯等に限られるため、お住まいの自治体の窓口で先に確認してください。

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自分の世帯年収の帯を選ぶと、年収を入れた状態で総額の試算画面が開きます(年収は総額の計算には影響せず、年あたりの負担が年収の何割かの表示に使われます)。

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